JCDC札幌校 学院長 川人誠司B.S.C.[2012.3.16の続き]
ヘルニアを発症しなかった場合、椎間板は全体として変性し椎間板内圧は低下していく。その結果椎間板腔の狭小化が起こる。
また椎体の緑に骨棘の形成が起こることもある。
支特性が損なわれることで不安定性を招き、脊椎すべり症を発症させることもある。
このような状態になってしまうと、脊柱周辺に存在する知覚終末を刺激するばかりではなく、脊椎神経、神経根も機械的刺激を受けてしまう結果につながる。
安静時は問題ないが、活動時に痛みが出現するような椎間板由来の障害の発現である(椎間板症)。
このような機能不全は、椎間関節にも及び(椎間関節症候群)、脊椎全体として退行変性に陥っていくことになる。
60歳以上になるとほとんどの人の脊椎の可動性は減少し、椎骨も次第に肥厚変形を呈す。
これらをX線学的には変形性脊椎症といわれる所見となる。
椎骨の変形性変化として脊椎や馬尾を抱合している脊柱管をも狭窄してしまうこともある。
腰椎部では馬尾神経や神経根が慢性的に絞扼され、阻血状態となり馬尾性間欠跛行という特徴的な症状を示すことがある(腰部脊柱管狭窄症)。
終わり