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健康コラム

カイロプラクティック教本-四肢編5-

◎ 四肢をつなぐ関節のメカニズム(その2)


■滑膜関節の特徴とその流体力学的機能


 滑膜関節には、その運動様式に応じてさまざまな構造が存在することを前節で述べた。だが、関節構造はさまざまでも、それらに共通するものを備えている。

 それは、関節包、滑膜、関節腔、滑液、関節軟骨などの組織を持っていることである(図11)。

 そして、それらの諸組織の共同作業により流体力学的機能を生み出し、頻回な関節運動を可能にしているのである(図12)。

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1.流体力学的機能とは

 関節面が相対運動を行うことによって、まず、摩擦熱が起きる。そのために摩耗、精度の狂い、オーバーヒートなどが生じてくる。
もしそのまま経過すれば、関節はやがて破壊に追い込まれてしまう。

 そこで、関節面が長期の使用に耐えられるように潤滑物質を関節面に介在させることになる。
この潤滑物質が被膜(薄い液状フィルム)を形成して軟骨の摩擦を防ぎ、かつ、スライド運動の円滑化と衝撃緩和の油圧効果に働くことになる。

この潤滑物質(滑液)は、吸熱性の粘性液体であり、オーバーヒートを回避するための熱交換の循環に働く。同時に、関節面のズレ(接線応力)を調整してくれるわけである。



つづく





論文紹介:疼痛による頚部伸筋群の活動変化;mfMRI評価 3

mfMRI
   ・使用機材:3T MAGNETOM Trio-Tim system,syngo MR VB13 software, Siemens AG,Erlangen, Germany
   ・ポジショニング:リラックスした仰臥位で股関節
        45°屈曲位で頭部中立位、頚椎前弯中立位
   ・エクササイズによる筋T2変化(half-life)は7分間でみられることから、エクササイズ直後に被験者をスキャナーに移動させた。(exercise ‒ scanning間;116±9秒)
   ・椎間板腔撮像のために頚椎矢状断画像を撮像し、次いで、椎間板に対する水平断画像(C2-C3,C7-
     T1)を撮像した。
     view:256mm, matrix:128×128, voxel size:2×2×5mm)

データマネージメント
   ・muscle T2算出にはImage J, a Java-based version of public domain NIH Image softwareを使用
        ・ROI:水平断画像上で多裂筋、頚半棘筋、頭半棘筋、頭板状筋のC2-3,C7-T1の2レベル
       例外;C7-T1で頭半棘筋の判別不可(ROI無)
      多裂筋と頚半棘筋の判別が困難であったため 1 ROIとした。
   ・全てのROIで脂肪、膜、血管など筋組織以外が加わらないよう注意を払った。


統計解析
    ・PASW statistics 18を使用し解析を行った。
    ・疼痛、RPE(各エクササイズと各コンディション)、T2値(milliseconds)、T2 sifts(T2値エクササイズ後と休息の差異)の平均値及び SDを算出
    ・RPEとT2 siftsの分散分析
   ・筋に対する疼痛の影響は、エクササイズ後の疼痛有と疼痛無のT2 sifts比較により検討

結 果
疼痛の度合:投与30秒後 5.8±1.1
      1回目エクササイズ後 4.8±1.1、
      2回目 2.9±1.1、3回目 1.3±1.5
RPE:コンディションとエクササイズとの間に相互作用がみられた。(F=4.903;P=0.030)
   疼痛有状態で各エクササイズにおいて有意に増加(P<0.001)、疼痛無では有意差無(P=0.872)

コンディション間(疼痛有、無)では1回目のエクササイズで有意差有(P=0.004)疼痛による筋への影響多裂筋/頚半棘筋:コンディションとレベルとの間に相互作用がみられた。(F=5.481;P=0.035)Post hoc testでC7-T1レベルにおいてT2 sift低下(P=0.045)、C2-C3レベル;有意差

無頭半棘筋:相互作用及び影響無
頭板状筋:計測レベルで影響有(F=7.284;P=0.017)、 コンディション×左右影響有(F=16.13;P≦0.001)

 Post hoc testでは、疼痛有において、C2-C3レベルで左側にT2 sift増加(P=0.008)、C7-T1レベル右側にT2 sift低下(P=0.023)が検出された。

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考 察

 本研究では、誘発性筋痛による頚部伸展運動時の頚部伸筋群の活動変化が示唆された。
最も顕著な変化として、疼痛有状態で多裂筋/頚半棘筋の両側C7-T1レベルにおいて活動低下がみられたことである。

それに対し、頭板状筋では、疼痛側C7-T1レベルで活動低下、筋注反対側C2-C3レベルで活動増加がみられた。
この現象は、深部筋(多裂筋/頚半棘筋)活動低下による浅部筋(頭板状筋)への二次的な影響であると考えるが、注意すべきは、頭板状筋疼痛側C7-T1レベルでは活動低下、比較的浅い筋である頭半棘筋では有意差が無いということである。

この結果は、一部或いは少なくとも、先行研究で報告されている頚部痛患者の伸筋群筋力、耐久力変化と関連すると考えられ、頚部痛患者の臨床に応用できるであろう。

 本研究結果は、Fallaらの実験的疼痛誘発(胸鎖乳突筋への注射)による疼痛側頭板状筋の活動低下と反対側他の頚部筋活動増加という研究結果(EMG計測)と一致している。

これらの筋活動変化は、疼痛下で同じ力を維持するための神経、筋の反応であると考えるが、RPE結果(higher effort in the pain condition)からも妥当な見解であろう。
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Limitations
 筋機能再構築はタスクを行うための一過性のものであると思われ、長期間(慢性頚部痛)では、頚部伸筋群に逆の影響がみられると報告されている。
多裂筋/頚半棘筋の活動低下については、先行研究において結果が同様なもの、異なるもの双方存在する。また、本研
究では実験的疼痛を採用しており、実際の臨床での頚部痛とは生理学的に、及び患者の感情にやや相違があると思われる。


結 語
 本研究は、疼痛発症直後の頚椎深部及び浅部伸筋群の活動を調べた最初のものである。
臨床的観点において、頚部外傷初期の頚部筋群への対処の必要性、及びその対処により症状悪化の予防できることを期待する。

頚部痛に対する臨床に幅が広がるよう、今後、頚部痛患者に関する更なる研究が望まれる。






論文紹介:疼痛による頚部伸筋群の活動変化;mfMRI評価 2

方 法

被験者:15人の健常者
    (7 male and 8 female, age;24±3.2 yrs)
    除外対象 ‒ 頚部痛経験者、神経疾患、MRI撮像不可の者(心臓ペースメーカー使用、閉所恐怖症等)

デザイン:3コンディションでMRI撮像
     ① 休息 
     ② 頚部伸展エクササイズ直後、疼痛無
     ③ Hypertonic Saline筋注による右上部僧帽筋 
   疼痛誘発後の頚部伸展エクササイズ直後

エクササイズ:
   ・実験1週間前に各被験者の頚部伸展運動maximum
     voluntary contraction(MVC)を計測
    被験者は腹臥位、頭頚部中立位で、後頭部をパッドで安定し(Fig.1)、被験者はそのdynamometer(力量系)のパッドに向け頚部伸展運動を行った。
 (パッドが伸展運動を抵抗することで等尺性運動が 可能となる。)60秒間隔で3回MVCを計測し、最大値を採用した。
    被験者頭部の前にグラフモニターを設置し、そのグラフが増加、減少することで、インターバル中頚部伸筋群の使用度合を被験者自身が分かるよう にした。
    ・実験;MVCの20%の力で1分間3回(15秒間の休息)頚部伸展運動を行った。
    ・被験者によるrate of perceived exertion(RPE)の記録

実験的疼痛:
    ・右上部僧帽筋にHypertonic Saline(0.5ml; 5%)
  筋注(C7棘突起‐肩甲骨烏口突起の中間部)
    ・投与30秒後にnumerical rating scale(0-10)により疼痛の度合いを記録し、その数値が4/10以上であったら直ぐにタスクに移行した。4以下の場合はsaline 0.2mlの注射を追加した。


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つづく







論文紹介:疼痛による頚部伸筋群の活動変化;mfMRI評価 1

要 旨


目的:
 本研究は、頚部伸筋群エクササイズ中の実験的頚部痛による頚部伸筋群活動変化を筋fMRIを使用し評価するものである。

方法:
 15人の健常者における多裂筋、頚半棘筋、頭半棘筋、及び頭板状筋、2レベル(C2-C3,C7-T1) 左右両側の活動を評価した。
計測は、休息時と頚部伸筋群エクササイズ後に無痛状態、右上部僧帽筋疼痛誘発状態(Hypertonic Saline筋注) で行われた。

結果:
 疼痛状態では、多裂筋、頚半棘筋両側C7-T1レベルで活動低下がみられた(P=0.045)。
頭半棘筋では両条件下で有意差はみられなかった。頭板状筋では、左C2-C3レベルでT2上昇がみられ(P=0.008)、右
C7-T1レベルでT2低下がみられた(P=0.023)。

結論:
 本研究は、頚部伸筋群エクササイズ中、疼痛発症直後における頚部伸筋群の深部筋、浅部筋への影響を調べた最初の研究である。
本結果は頚椎部外傷早期における頚部伸筋群の評価に有用出来るであろう。


はじめに

  頚部痛は、年齢、性別を問わず頻発する問題である。
これまでの頚部痛に関する研究では、頚部筋の活動、構造的変化が報告されており、それらの変化は、発症、持続、再発や障害を示すもので、それらが、患者の評価、治療のための指標となっている。また、過去の頚部痛患者における頚部筋機能を調べるための研究は、主に頚部屈曲筋群に関するものであり、頚部伸筋群の評価を行った研究は少ない。

   後頚部筋群は多重層で複雑な構造をしており、それらの活動を調べることは困難とされているが、その活動を検査する一つの手段としてmuscle functional MRI (mfMRI)がある。mfMRIは筋活動による組織内水分の反応としてT2強調画像として反映されるものであり、多くの脊柱筋群の活動評価に関する先行研究において使用されている。

  本研究の目的は頚部伸筋群等尺性運動中の実験的頚部痛による頚部伸筋群活動変化を筋fMRIを使用し評価するものである。

 

つづく





海外トピックス~World Report~

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 アメリカで進んでいる大きな医療保険制度改革に伴い、 アメリカカイロプラクティック協会(ACA)と国際カイロプラクター協会(ICA)のリーダー達は、2月15~18日のACA全国カイロプラクティック法制化大会中の、2月1 5日(水)夕方ワシントンで開催されたすばらしい大会レセプションにおいて、“統一戦線を張る”旨を表明しました。

 450人のカイロプラクターと学生の聴衆が、多くの国会議員に出会い、何人かに声を掛けられました。
その中には、カイロプラクティック専門職に多数の重要な法制上の勝利を達成してくれた、アイオワの上院議員Tom Harkin
氏や、先回の選挙で共和党議員による過半数が誕生するまで米国下院議長だったカリフォルニア代表Nancy Pelosi氏もいらっしゃいました。

 お二人は、ACA会長のKeith Overland 先生とICA会長のGary Walsemann 先生を歓迎し、予防とホリスティックアプローチと有効性(特に費用対効果)をベースに、改革後の医療保険制度にカイロプラクティックサービスを加えるため、継続して支援することを約束されました。

 NCLCではACAのカイロプラクター・オブ・ザイヤーは、パーマーカレッジのリサーチと政策の副総長のChristine Goertz 先生が受賞されました。

 WFCリサーチ会議メンバーであるGoertz先生は、PECORI委員会(医療保険制度改革についてオバマ大統領に助言する専門家パネル)の委員もされています。

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