鶴ヶ島 カイロプラクティックセンター
院長 船戸 孝俊B.S.C.
まず構造的な問題に注目してみましょう。
母親の乳首からと哺乳瓶の乳首では、顎にかかる力学的負荷が圧倒的に違うので、後の下顎の発達に大きな影響を与え萌芽スペースの確保はもとより、噛み力や顔面骨の発達にも大きく影響します。
通常この頃の子供の頭骸骨と顔面骨とでは、頭骸骨の方が圧倒的に重く頭頚移行部を支点に前方がピッチングをおこしてしまいます。すると開口位をとりますので口呼吸になり、さらに頭頚移行部の圧迫により、脳の虚血を起こし脳幹の温度調節ができなくなります。
そしてこの時脳温上昇に伴い、脳内部はかなりのストレス状態になっています。まして新皮質の働きが不十分の幼児の脳は、感情脳つまり大脳辺縁系の働きの方が強く働きますので、これをより強めます。
この状態を回避するために指をしゃぶり、前上がりの頭部を正面に矯正し血流確保と脳冷却を行っているのです。そして指しゃぶりをすると唾液が多く出ます。唾液は殺菌効果としてだけではなく、消化酵素としてのアミラーゼを多く含みます。
このことはデンプンを栄養素として迎える準備、つまり離乳の段取りもしている姿でもあるのです。
アトピー性皮膚炎の多くは、脳の虚血状態からくる皮膚症状で、白血球の貪食能力低下と全身の血液循環不全によって生体内老廃物の浄化不良となって、皮膚面に表れた病態だと言われています(血流不全による皮膚組織の脂質代謝不良=皮膚バリア機能の異常/脳虚血による細胞性免疫能低下を補う体液性免疫IgEの援護射撃=皮膚炎)。
この系の人は脳虚血による覇気のなさ、やる気のなさ、元気のなさ、集中力を失い、うつ状態も併せ持つことが多いようです。
つづく