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健康コラム

自然と生理的環境 >> 最近の医療の動向を考えて 5

鶴ヶ島 カイロプラクティックセンター
院長 船戸 孝俊B.S.C.

 あるとき休日に子供とTVを見ていたら、荷物を重そうに持っている人が移っていました。
すると右手で荷物を持って歩いている姿を見て、
「この人はなんでこんなに(左側に)傾いているの、なんでこっちの手(左手)をブンブンしているの、顔(顎)が曲がっているの、こっちの足歩き方が変だね(右足が重そう)」
など、大人では流してしまう部分に、無垢な子供は反応し観察し疑問に感じている。

まずここからなのだとはっとしました。
医療者よりも人を正確に視ることが出来るのは画家や写真家であると、以前ある先生から聞いたことを思い出しました。

 そこから視点を変えてみて、正確にありのままをまず視ること、それからなぜそうなるのかを機能解剖を中心に考えるようにしました。
 すると施術を単純化出来ることにまず驚きました。
より簡素にできるので患者さんに余計な負担をかけずに出来ること、なによりも疾病形成因子がより見えるようになったので、患者さんの質問にも簡単に、より的確に説明できるようになりました。
施術成績も飛躍的に伸びました。手に負える症状とそうでないものとが、自分の中でしっかりと納得できて病院に紹介できるようになってきたと思いますし、考えることの意味が少しずつわかり始めたような気がしています。

 患者さんは自分の症状に対する知識は豊富です。
例えば患者さんとのコミュニケーションの中でも、確信をもって真実を話せないと施術者側の足元を見てくることもあります。

 施術ミスや説明の不正確さなどを追及され、起訴に持ち込まれる可能性もあります。十分に気をつける必要があります。
 私はこう思います。
仕事に対する強い情熱や、深い思い入れを持つことが必要ではないかと。
その真摯な態度が、自らを高め、患者さんからの信頼を得ることになり、結果法的にも私たちの身を守ることになるのではないでしょうか。

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自然と生理的環境 >> 最近の医療の動向を考えて 4

鶴ヶ島 カイロプラクティックセンター
院長 船戸 孝俊B.S.C.

 第一に考えるということはどういうことであるか、これは定義と言ってもいいところなのですが、考えるとは、一つのものを一つのものの中に入れることであります。
この場合は、精神が作った容器、つまり概念とか知的体系などの容器の中に整理して、物事を入れることがつまり考えるということです。
多くの対象物を一つの容器に入れる時には、整理しなければならない、この時に考えるのです。

 第二に考えるにはどうしたらよいか、多くの難問は雑多な問題がそこに散在しているから難問なのです。
まず問題なり対象なりを出来るだけ細かく分析することが一番大切です。

 そしてもう一つ大切なことは、対象をありのままに、ゆがめずにとらえるということです。
 “正しく考えるより前に、正しく視ること”ある物をあるがままに視ること、出来上がっている概念や思想で、また感覚だけではなく、自己を無にして事実そのものを正確に視ることが最も重要です。

精神の自由を保ち、既成の知識でそれをとらえるのではなくて、常に批判的で、精神的栄養つまり知識は、精神的消化つまり自分の批判を通じて反省しなければ受け入れてはならない、これが方法です。

 改めて最初に取り組んだことは、患者を観察すること、問診時には、既往歴を時系列的に可能な限り過去から整理するように聞き出し、患者の声のトーンからどこの部分で苦しんでいるのか、もとめるQOLはどこにあるのか、感情移入しすぎないよう注意をしながら事実のみを正確に書き留めることに努めました。

検査時には、歩容や痛みの出る姿勢など正しく視ることに重視し、パルペーションだけに重きを置くのではなくより自然な動作から得られるごくわずかな情報に気を配りました。


つづく





自然と生理的環境 >> 最近の医療の動向を考えて 3

鶴ヶ島 カイロプラクティックセンター
院長 船戸 孝俊B.S.C.

 よく5年目、7年目のジンクスといわれるのですが、始めたばかりの一年目などは、無我夢中です。
やがて一年過ぎる頃には、やや2割ぐらいの手に負えない難治性の患者さんが残ります。
その患者さんを抱えながら2年目も同じように2割程度の患者さんが残ります。

5年目、7年目頃になると、やや5割を超える手に負えない患者さんが自分の目の前に、あるいは立ち去って行った患者さ
んが心の中に残ります。
こうなると自分がどんどん苦しくなります。

 しかしこれは苦しみながら、もがきながら自分で見つけ出しこの大きな壁を乗り越えるしかないのです。
誰も助けてはくれないのです。
この時こそしっかりと足元を照らして、前を見据えて前進していける哲学の存在が不可欠になります。

 私自身も数年前にこの問題に直面しました。大したことは出来ていないのに、出来ているような錯覚を起こしていたのです。
気が付いてみたら、何度施術しても毎回同じ症状で帰ってくる、さらに悲惨なのは、悪化していく患者さんの存在です。
そうなるとかなりジプシー的になり、これが良いあれが良いと聞けば、情報収集に励み試してみたものの自分のものにはならず、ただ情報の羅列をし続けるのです。

毎日夜遅くまで勉強しても、全く光が見えてこない日々が続き疲れ果てたそんな時に、一冊の著書に出会いそこから生き返ったようになったのを覚えています。
 この本からは、考えることの大切さ、考えることの楽しさ、そして特にこの仕事は、考えることが最も重要で必要不可欠なのかを思い知らされました。
人から聴き知ったことは、けして勉強したことにはならず、本当の知識にはならないのです。


つづく





自然と生理的環境 >> 最近の医療の動向を考えて 2

鶴ヶ島 カイロプラクティックセンター
院長 船戸 孝俊B.S.C.

 リーマンショックの頃からか、来院患者の動きや質が変わってきたように思います。
強烈な不景気のため、いままで肩こりや日常的な疲労などで気軽に来院していた患者さんが、かなり減った気がします。
我々が扱う症例は、緊急に命を脅かす症例ではないこともあり、痛みなどを我慢できる範囲であればギリギリまで我慢してしまうのでしょう。


その結果症状がかなり進んで来院することが多くなったように思いますし、改善方向に向かうまでに時間と手間がかかるようになりました。

 しかし施術報酬が自費なこともあり患者さんは安易に早期改善を求め、しかもけして安くない料金を払うのだからと期待値が非常に大きくなります。
患者さんからの「私のこの痛みは治るの、治らないの」と責められるように聞かれると、つい「治りますよ」などと言ってしまいそうになります。

この“治ります”という言葉一つも、カイロプラクティック自主規制の中の禁忌事項の一つです。
言葉だけではなく、結果を焦るために施術そのものが、正確性を欠いたり事故を起こしたりもします。

施術者が落ち着いて対応しているか、知識、技術の足りなさから焦りを感じているのかは、どんなに言葉巧みに誤魔化しても患者さんにはしっかりと伝わるものです。


つづく





自然と生理的環境 >> 最近の医療の動向を考えて 1

鶴ヶ島 カイロプラクティックセンター
院長 船戸 孝俊B.S.C.

 最近裁判員裁判が行われ、一つの判決が出ました。
この裁判員制度に並行して検察審査会の制度が法改正になったことを知っている人は意外に少ないと思います。

 この制度は、これまで最終的には検察官に委ねられてきた起訴ないし不起訴の判断について、一定の場合には一般市民で構成される「検察審査会」の判断に拘束されるというものです。
つまり一般市民の意見、患者側により近い判断が下されることになります。

医療はいかに高度な教育と訓練を受けているとはいえ、人の行う行為です。
想定も出来ないような病状であったり、処置の範囲を超えて病状が進んでいたり、手の施しようがないこともあります。
これにはみなさんも承知のとおり、不確実性と限界があります。

 それでは、不当な起訴を防ぐために、私たちの立場でどのような対策がとれるでしょうか。
そもそも刑事事件の対象にならないようにすることを考えなければなりません。
対象となった医療事件のほとんどが、患者遺族からの告訴、告発がなされた事案であることから、日頃から患者さん及びその家族と十分なコミュニケーションを確保し予後不良な患者さんや、急変の危険性のある患者さんなどは特に、そのような認識を共有することが大切ではないかと思います。

 以上のことを踏まえ、私なりに目の前にある諸問題にどのように対応してきたかを、少々記してみたいと思います。


つづく